潜在ニーズと顕在ニーズはどう違う?お客様のニーズを引き出す質問法

潜在的な顧客ニーズを発見し、ビジネスチャンスに変える方法を徹底解説。データ分析、顧客インサイト、心理的アプローチを活用し、顧客の本音を引き出す実践的なステップと具体例を紹介します。マーケティング戦略を強化し、競合に差をつけたい方必見のガイド。

「あなたは、ウォンツから、潜在ニーズ引き出すことができますか?」

営業・BtoBマーケティング重要スキルとして「顧客から潜在ニーズを引き出すスキル」があります。難しいスキルですが、実はシンプルに質問を重ねるだけで、顕在ニーズだけでなく、顧客自身も気づいていない潜在ニーズを引き出すことができるのです。

本コラムでは、質問を重ね潜在ニーズを引き出した事例を5つ用意しました。事例を通して潜在ニーズを引き出すコツを身につけましょう。

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ニーズとは:ニーズとウォンツ


ニーズとウォンツ=目的と手段


「ニーズとウォンツ」とは「目的と手段」と考えることができます。



「スポーツドリンクが欲しい」は、ウォンツ=手段です。顧客は、具体的にイメージし易い手段・ウォンツを発言します。一方、その目的=ニーズは、言葉にしないことが多いです。

たとえば、ニーズ=目的は「のどが渇いているので、冷たいスポーツドリンクでのどを潤したい」などでしょう。


潜在ニーズと潜在ニーズとは


ニーズには、「顕在ニーズ」と「潜在ニーズ」があります。

顕在ニーズとは、顧客が自分ですでに分かっているニーズです。ここで、もし顧客自身も認識していないような、潜在ニーズを発見できれば、新たな価値提案、競合差別化ができるでしょう。

しかし、どのように潜在ニーズを顧客から引き出せばよいのでしょうか。

潜在ニーズの引き出し方


顧客の最初の発言はウォンツ


顧客の最初の要望は、「目先の顕在ニーズの実現手段=ウォンツ」であることが、ほとんどです。たとえば、「ミネラルウォーターがほしい」「エアコンが欲しい」「こういうシステムを開発してほしい」。これらはすべてウォンツです。

潜在ニーズは、顧客の頭でも整理されておらず、具体的にイメージし易いウォンツ=手段を発言しがちです。つまり、営業・マーケターは、顧客のウォンツから潜在ニーズを引き出さなければなりません。


2-2.潜在ニーズの引き出し方


潜在ニーズを引き出す質問は「なぜ?」です。

シンプルな「なぜ?」という質問を何度か繰り返し、本質的な潜在ニーズに迫ります。



潜在ニーズを引き出す質問バリエーション


潜在ニーズを引き出すシンプルな質問は「なぜ?」です。しかし、ストレートに「なぜ?」と聞かれると不快感を持つ人もいるでしょう。質問のバリエーションを4つ示します。場面に応じて、適切な質問法を使ってください。

  • ○○が欲しいのは、なぜでしょう?
  • 差し支えなければ、○○が欲しい理由を教えていただけますか?
  • そうなると、何がうれしいのでしょう?
  • ○○をする目的はなんでしょうか?

質問で顧客の潜在ニーズを引き出した5つの事例


潜在ニーズを引き出した5つの事例です。

ここまで掘り下げると、最初の顧客のウォンツと異なる潜在ニーズを満たす手段の選択肢が、他にもあることがわかります。つまり、解決の選択肢が広がり、顧客によりよい解決策を提示することが可能になります。。

事例①「家庭用エスプレッソマシンが欲しい」(消費者編)

  1. 「家庭用のエスプレッソマシンが欲しい」「どういった理由で?」
  2. 「家でもおいしいコーヒーを楽しみたい」「なぜ、ご自宅でも?」
  3. 「カフェに行く時間がとれない」「時間がない中、なぜコーヒーが重要?」
  4. 「忙しくても特別な時間を過ごすのが好き」
    (慌ただしい日常でほっと一息つける特別感)←潜在ニーズ

潜在ニーズを満たす他の手段例

  • お香やアロマディフューザー
  • スムージーメーカー

事例②「フィットネスクラブに入りたい」(BtoC)

  1. 「フィットネスクラブに入りたい」「なぜ?」
  2. 「運動不足を改善したい」「なぜ?」
  3. 「体力が落ちていて、健康が心配」「何のために体力をつけたい?」
  4. 「趣味の登山をもっと楽しみたい」
    (登山を心から楽しむための体力づくり)←潜在ニーズ

潜在ニーズを満たす他の手段例

  • 筋力アップ/ストレッチ器具
  • シューズなどのウォーキング・グッズ
  • プロテインドリンクなどたんぱく質摂取

事例③「PlayStation4が欲しい」(BtoC)

  1. 「PlayStation4が欲しい」「なぜ?」
  2. 「アクションゲームをきれいな画面で楽しみたい」「なぜ?」
  3. 「仕事のストレスを解消したい」潜在ニーズ

潜在ニーズを満たす他の手段例

  • スポーツをする
  • カラオケ
  • よく寝る

事例④「A業務の効率化をしたい」(BtoB)

  1. 「A業務の効率化をしたい」「なぜ?」
  2. 「A業務の事務社員数を減らしたいる」「なぜ?」
  3. 「減らした事務社員を営業職に転換させたい」「なぜ?」
  4. 「営業人数を増やして営業力を強化したい」潜在ニーズ

潜在ニーズを満たす他の手段例

  • 営業教育
  • 営業サポートツールの導入
  • 営業人員の代わりにWEBサイトを強化

事例⑤「業務マニュアルを改訂したい」(BtoB)

  1. 「業務マニュアルを改訂した」「なぜ?」
  2. 「A業務の事務社員数を減らしたい」「なぜ?」
  3. 「全社目標である業務効率化のため業務マニュアルを改訂したい」「なぜ?」
  4. 「効率化できるオペレーション方法の改善と事務員への浸透を行いたい(そのための手段の一つがマニュアル改訂)」潜在ニーズ

潜在ニーズを満たす他の手段例

  • 業務の一部を辞める(辞められる業務はないか?)
  • 人手でやっている部分をシステム化する
  • 事務員の教育

まとめ

質問により潜在ニーズを引き出すことがイメージできたでしょうか。もし、他社がウォンツ理解にとどまり、あなたが顧客の潜在ニーズまで理解できたなら、より本質的な解決策が提案でき大きな競合優位性が得らます。



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「潜在ニーズを引き出す方法」を学ぶ企業研修

「顧客ニーズヒアリング研修」は、提案型営業のキモ、顧客ニーズヒアリング力を高める企業研修です。顧客ニーズヒアリングの論理的仮説検証プロセスを身につけます。実在の顧客のニーズ仮説を立てコンサルタントの仮説検証ノウハウを伝授します。


お客様の声:ニッセイ情報テクノロジー様


正留様

ニーズヒアリング基礎編実施後ニッセイ情報テクノロジーが抱えている課題がより明確になりました。
まずは、「ニーズとウォンツの違い」が本当にはわかってなかった。お客様が発言する表面的な「ウォンツ」と、本当に必要な「ニーズ」の区別が、なかなかついていない。
また、ニーズヒアリングにおいて、「次にやるべきこと」「実業務でどう活かすか」が、まだまだわかっていない。ニーズ仮説のリアリティが足りないと思いました。


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